第810回 果糖はブドウ糖より摂食行動を高める


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2014年12月10日アリゾナ州フェニックスで開催された米国神経精神薬理学会(ACNP)年次総会で、南カリフォルニア大学から「ブドウ糖と果糖への脳の反応は異なること」、「果糖は脳の報酬回路の応答を高め摂食行動を促進すること」が示唆された。

米国の成人3人の中で2人は過体重で、3人の内1人は肥満である。この主要因としては、過去4半世紀の間にライフスタイルが変わったことや果糖の摂取増など食事内容が変容したことが挙げられよう。果糖とはフルーツに含まれている単糖で、高果糖コーンシロップのような形で精製糖として多くの食品に添加されている。
身体の主なエネルギー源は、通常、複雑な炭水化物の分解を経て製造される。体の主要なエネルギー源であるグルコースは常に複合糖質が分解されて生成される。

先行研究で、「果糖を摂取すると、血中の満腹ホルモンレベルはグルコース摂取に比べて微増すること」、「更に、げっ歯類の実験で脳にグルコースをダイレクトに投与すると満腹感や膨満感が高まるが、果糖の場合は摂取行動が昂進すること」、「ヒトでの予備実験で、グルコースは視床下部の代謝活性化を弱め満腹感をもたらすが、果糖では示されていないこと」が示されている。

今回の新研究では、南カリフォルニア大学医学部ケック学校のKathleen Page女史が同大学心理学科の同僚と協同して、発展的に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験を行った。

Page et alは年齢16~25歳の男女24名を被験者として、グルコース又は果糖入りの飲料を飲んで貰った後で、食品画像(チョコレートケーキなど)を見せて、どのくらい食べたいか答えてもらった。そのときfMRIスキャンして脳の食への反応やモチベーションを調べた。

食品の画像を見せることで、脳の報酬系側坐核が活性化し食欲が高まった。
側坐核が活性化はグルコースよりも果糖でより高まった。

更に、グルコースに比べ果糖は空腹感と食欲へのモチベーションの昂揚が認められた。高カロリー食品に対する神経や行動反応は食べたい気持ちを高めたが、それはグルコースより果糖の方がより顕著であった。

これらの研究は、高糖質食品や食欲をそそる食品が氾濫している社会の中で、公衆衛生上の重要な意味を持っており、果糖を摂取すると過食を促し得ることを示唆している。

参照記事
Science Daily
Fructose and glucose: Brain reward circuits respond differently to two kinds of sugar
Dec10, 2014
Source:American College of Neuropsychopharmacology

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果糖やブドウ糖などsugarの依存性や摂食行動の問題、糖質と代謝的な健康やダイエットとの関係、並びにエネルギー収支バランスとの関係など詳細については、次回の記事で取り纏めて説明する予定です。

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